園長からのひとこと【2020/9】

秋の訪れを間近に感じる季節になりました。今年は、コロナ禍のため、通常の大運動会の開催は難しい状況ですが、そんな中でも、運動会に向けて一生懸命練習する子ども達の笑顔
が、今年も園庭を彩ってくれています。

さて、今年も暑い日が続きましたが、彼岸花が咲いた頃を境に秋の気配が深まってきました。お彼岸に必ず咲く真っ赤な彼岸花は、葉っぱのない花としても有名です。しかし、彼岸
花にも葉っぱはあるそうです。それは花が枯れた後に、葉っぱだけが、人知れず球根から伸びてくるのだそうです。その葉っぱは、冬を越し翌年の夏まで枯れずに繁り、その間、光合
成による栄養を球根に送り続けていきます。夏頃に葉っぱが枯れ、秋のお彼岸の頃に、栄養がたっぷりになった球根から、真っ赤な花が咲くのです。その花の寿命は、わずか一週間で
す。一週間の間、みんなに注目される真っ赤な花には、誰にも知られない葉っぱによる約10ヶ月もの地味な準備があるのです。

花だけではありません。命あるものの輝く姿には、人知れない様々な努力やその命に向けられた温かい働きが必ずあるものです。今年は、様々な制限がある運動会の開催となります
が、子ども達自身の頑張りや多くの方々の温かい想いが、輝きとなって園庭にいっぱいに広がる素敵な時間にできたらと思います。温かい応援をよろしくお願いします。

 

 

2020-09-30

園長からのひとこと【2020/8】

お盆が過ぎ、連日続いていた猛暑も、少し和らいできたように思います。コロナ禍の中で様々な制限はありますが、10月の大運動会へ向けた練習も始まります。過ごしやすくなっていく季節の中、子ども達の成長がいよいよ楽しみですね。

さて、先日、セミがカマキリに捕まり、生きたまま食べられているという衝撃的な光景に出くわしました。細い体をしたカマキリが、決して小さくはないセミの体を食べている光景は、残酷なものでしたが、改めて命の現実を教えられた気がいたしました。

私達も、自分では殺さなくても、自分以外の誰かが殺した命を毎日食べています。そこに、重みを感じることができているでしょうか。どんな命であっても、誰かに殺され、誰かに食べられるために生まれてきた命は一つとしてないのです。みんな命を奪われるときには、大きな悲しみを抱くはずです。そんな大きな悲しみの上に、私の命が恵まれていることを忘れてはならないでしょう。

人間らしい思いやりの心というのは、何気ない日常生活の中で育まれていくものです。依然として収まらないコロナ禍や大規模な水害など、人々の心が緊張し傷ついていく毎日を生きる私達です。このような時こそ、子ども達と一緒に、日常生活の中で、思いやりが持てる過ごし方を、意識して大切にしていきたいですね。

2020-08-27

園長からのひとこと【2020/7】

長い梅雨の季節が続いています。未だコロナ禍が収まらない中に、全国で豪雨被害が頻発しています。多くの被災者の方々に、心寄せていく毎日を大切にしたいと思います。

さて、連日報道される豪雨被害のニュースの中で、岐阜県にある樹齢1,000年を超える杉の大木が、この度の豪雨によって倒れるというものがありました。地域では、神社のご神木として大切にされていたそうです。 1,000年もの月日を乗り越えてきた大木が、簡単に倒れるほどの豪雨を、私達は今、目の当たりにしているということなのでしょう。 1,000年という杉の木が過ごした長い年月も、限りあるものとして見れば、とても大切な掛け替えのない時間に思えます。どんなものにも限りがあり、けっして永遠ではないことを改めて教えられたことでした。

感染症の流行や自然災害など、歴史的にも大変な時代状況の中に生きる私達ですが、限りある命を生きる私達にとっては、今の状況も、掛け替えのない人生の1ページなのでしょう。

心痛める中にも、子どもと過ごす今という瞬間の中に幸せを味わい、温かさと明るさを大切にする毎日を送っていきましょう。

 

 

 

2020-07-30

園長からのひとこと【2020/6】

雨に濡れた紫陽花の美しさが、心和ます季節になりました。田んぼで鳴くカエルの声が、梅雨の季節の到来を告げています。

先日、ネットニュースで、「中国料理店主が知った日本語『かさ地蔵』」という記事を見つけました。東京で中国料理店を営む中国人店主が、お店の売り上げが激減し、自らが困窮する中にあって、自分のように新型コロナウイルスの影響で困窮する人達を想い、4月14日から6月2日まで、毎日、無料でお弁当を配布したそうです。すると、その後、大量の野菜をそっと店先に置いてくださる方や、誰からか現金が送られてくるなど、店主に対する応援や感謝の行いが、後を絶たない状況になっていったという内容でした。まさしく、現代のかさ地蔵です。店主は、日本人の友人から「まるでかさ地蔵みたい」と言われて、初めて日本の昔話「かさ地蔵」の存在を知ったそうです。

かさ地蔵の物語に喩えられるこのエピソードには、お互いに「私がやってあげた」という自己主張の全くない本当の優しさが溢れています。人を思いやる優しい心は、新たな優しさを生んでいきます。逆に、人を傷つける憎しみの心は、新たな憎しみを生んでいくのです。

世界中が、未だに未曾有のコロナ禍の中にあります。不安と緊張が続く中、お互いに温かく人を思いやる本当の優しさが溢れる毎日を送っていきたいですね。

2020-06-30

園長からのひとこと【2020/5】

長かった登園自粛期間が終わり、やっと保育園に子ども達の明るい声が戻ってきました。保護者の皆様には、お忙しい中、登園自粛にご協力くださり、まことにありがとうござい
ました。緊急事態宣言は解除されましたが、新型コロナウイルス流行の第二波が心配されています。引き続き、感染防止に十分に留意しながら、子ども達との保育園での時間を大
切にしていきたいと思います。

以前、ある方から「ありがとう」という言葉について、次のような体験談を聞かせていただいたことがありました。お話を聞かせてくださった方は、ある時から、この「ありが
とう」という言葉を、普段の生活の中で意識して使うようにしたそうです。コンビニでお釣りを受け取るときや、レストランで料理が運ばれてくる時など、普通なら当たり前で済
ましている場面で、「ありがとう」という言葉を意識して口にするようにしたそうです。そうすると、必ず相手の表晴が笑顔になり、和むのだそうです。「ありがとう」という言葉を、意識して使うようになってから、自分が、どれほど多くの人々に支えられていたのかに気づかされ、毎日が、とても温かく充実した心持ちで過ごせるようになったといいます。そして、自分が変わることで、周りの人達も、とても優しくなったそうです。

言葉一つで、人の心の有り様は一変していきます。新型コロナウイルスの影響で、しばらく暗く神経質になる毎日が続くことと思います。「ありがとう」という言葉のように、自分も他人も幸せになれる素敵な言葉を、子ども達と一緒に大切にしていきたいですね。

2020-06-01

園長からのひとこと【2020/4】

あちらこちらで鯉のぼりが元気に泳ぐ季節になりました。山口市による登園自粛の協力要請には、本当に多くの保護者の皆様にご協力をいただきました。急な要請の中、快くご協力くださり、まことにありがとうございました。

新型コロナウイルスの感染が全国的に拡大し、わずか一ケ月ほどの間に、世の中の雰囲気が一変してしまいました。今まで当たり前であった様々なものが、当たり前でなくなり、世の中全体が暗い雰囲気に包まれています。こんな時こそ、温かい言葉を意識することが大切だと思います。

以前、ある方から「ありがとう」という言葉について、次のような体験談を聞かせていただいたことがありました。お話を聞かせてくださった方は、ある時から、この「ありかとう」という言葉を、普段の生活の中で意識して使うようにしたそうです。コンビニでお釣りを受け取るときや、レストランで料理が運ばれてくる時など、普通なら当たり前で済ましている場面で、「ありがとう」という言葉を意識してロにするようにしたそうです。そうすると、必ず相手の表情が笑顔になり、和むのだそうです。「ありがとう」という言葉を、意識して使うようになってから、自分が、どれほど多くの人々に支えられている幸せ者であるのかに気づかされ、毎日が、とても温かく充実した心持ちで過ごせるようになったといいます。そして、自分が変わることで、周りの人達も、とても優しくなったそうです。

言葉一つで、人の心の有り様は一変していきます。新型コロナウイルスの影響で、しばらく暗く神経質になる毎日が続くことと思います。「ありがとう」という言葉のように、自分も他人も幸せになれる素敵な言葉を、子ども達と一緒に大切にしていきたいですね。

2020-04-30

園長からのひとこと【2020/3】

桜の花が満開に咲く中、いよいよ、新年度がスタートしました。令和最初の新入園児の皆さんをお迎えし、一つずつ大きくなった在園児の皆さんと一緒に、今年度も、夢がいっぱいにつまった素敵な日々が始まります。

現在、世界中で新型コロナウイルスの感染拡大が続き、日本においても、予断の許さない状況が続いています。日本中が楽しみにしていた東京オリンピックの延期も決定されました。期待と不安が入り交じる中での新年度スタートとなりましたが、子どもの笑顔が、保育園をいっぱいに明るくしてくれることと思います。

嘉川保育園には、阿弥陀如来様が御安置されています。このみ仏様は、どんな命も同じように愛おしく慈しんでくださいます。これから嘉川保育園で過ごす様々な個性をもった子ども達は、一人ひとりが、阿弥陀如来様に慈しまれる掛け替えのない仏の子です。

子ども達は、これから、嘉川保育園というみ仏様のお心に抱かれた大きなお家で、その子にしかない掛け替えのないものをいっぱいに輝かせていくことでしょう。保育園での生活は、子どもにとって、楽しいこと、うれしいことばかりではありません。しかし、日々の様々な経験の一つ一つが、子ども達にとってかけがえのない成長の糧となっていくことと思います。み仏様のお心の中で育まれる子ども達の姿が、一年後、どんな素敵な姿に成長していくのか、今から楽しみでなりません。

これからの一年間、保育園と保護者の皆様とが車の両輪のようになって、子ども達の限りない輝きを支え、一緒に心からその輝きを喜んでいくことが出来ればと思います。
どうぞ、よろしくお願いいたします。

2020-04-04

園長からのひとこと【2020/2】

今年度も、残すところ、あと一ヶ月となりました。四月には見ることが出来なかった、それぞれの子ども達の成長した姿が、保育園を彩っています。発表会では、本当に多くの保護者の皆様にお越しいただき、まことにありがとうございました。皆様の温かい眼差しが、子ども達の何よりもの力になったことと思います。
さて、先月から新型コロナウイルスが中国を中心に世界中で猛威をふるっています。日本でも、埼玉県において6歳以下の末就学児の男の子が感染するなど、予断の許さない状況が続いています。ウイルスというのは、人の眼には見えません。眼には見えない働きが、人の命を脅かしていくのです。私たちは、眼には見えない様々な働きの中に生きていることを、改めて考えさせられます。仏教では、人の眼で認識し感じていくものは、この世界の本当の姿ではないことを教えています。むしろ、人の眼で感じることのできないものの中に、人が本当に大切にしなければならないものが、たくさんあることを教えています。眼に見えない働きが、命を脅かすのと同じように、眼に見えないたくさんの働きが、私の命を生かしてくださってもいるのです。
手洗いやうがいなど、眼に見えない働きから身を守ることを大切にしながら、たくさんの眼に見えない温かい働きの中にあることも、子ども達と一緒に味わっていきたいですね。

2020-03-01

園長からのひとこと【2020/1】

新しい年が明けて、早くも一か月が過ぎようとしています。今年の冬は、本当に暖かい日が続いています。過ごしやすい反面、子ども達と一緒に冬の景色を楽しめないのが残念です。

さて、先日、親鸞さまの報恩講のご縁で、「殺生(せっしょう)」という言葉についてのお話を聞かせていただきました。「殺生」という言葉は、一般的には、「生き物を殺す」という意味で使われています。しかしこの「殺す」という言葉には、単に「命を殺める」という意味だけでなく、「命を無駄にする」という意味が含まれているそうです。動物や魚だけでなく、一粒のお米も野菜も掛け替えのない命です。私たちは、様々な命を殺めずに生きていくことは不可能です。しかしその殺め頂いた命を、けっして無駄にしないような生き方はできるのではないでしょうか。様々な働きの中で生かされている私であることに感謝し、何事にも真面目に一生懸命させていただく毎日を大切にしたいものです。

いよいよ明日はみんなが楽しみにしている発表会です。太陽の光を受けて輝く雪のように、子ども達もご家族の温かい眼差しを受けて、舞台の上でより一層輝いていくと思います。どうぞ、ご家族そろってお越しください。お待ちしています。

2020-01-31

園長からのひとこと【2019/12】

年末の慌ただしさが、身に染みる季節になしました。令和最初の年も終わりを迎えようとしています。

さて、今年は、大変暖かい冬を迎えています。まだ畑にトマトやナスビなどの夏野菜が見られたり、庭にアジサイの花が咲いたりと、植物も冬の暖かさに戸惑っているようです。今年、スウェーデンの16歳の女子高生であるグレタ・トゥーンベリさんが、国連で世界の温暖化対策について怒りのスピーチをしたことが注目されました。世界の多くの人が、地球の環境破壊に大きな危機感を持っている表われです。

人間が幸せに暮らすために作られた多くの工場が、環境破壊の大きな原因だといわれています。幸せに暮らすために作られたものによって苦しめられるとは、実に皮肉なものです。お釈迦様は、自分の幸せだけを追求するところに、本当の安らぎは決して訪れないことを教えています。今日の地球の環境破壊は、人間だけの幸せを追求してきたところに大きな原因があるような気がします。

仏教では、湿気の中から生まれるカビのような命にも仏様の慈愛が詰まっていると教えています。自分の身の回りにある様々な命を愛おしく思える仏様のような眼差しは、これからの世界では、本当に大切なものになってくるのではないでしょうか。暖かい年末を迎えた今年、改めて、自分以外のものに対する優しい心遣いについて、共に振り返る年にしていきたいですね。

2019-12-26