園長からのひとこと【2021/12】

年末の慌ただしさが、身に染みる季節になりました。今年も終わりを迎えようとしています。一年を大切に振り返りながら、新しい年への思いを膨らませていきたいですね。

さて、先日、高校生の男の子が、夕方、学校の帰り道に嘉川保育園の前を通ると、一人の園児が、元気な声で「おかえり!」と声をかけてくれたそうです。とても幸せな気持ちになれたことを、嬉しそうに話してくれました。

私達は、日々、様々な言葉に囲まれながら過ごしています。次の瞬間に消えていく言葉もありますし、お釈迦様の言葉のように、何千年も消えずに響き続けるものもあります。一言で、その人を幸せにしたり、逆に、深く傷つけたりもします。言葉が持つ力は、私達の想像を超えています。

近頃は、スマホやゲームなどの普及により、子ども達が、素敵な言葉に触れていく機会が少なくなっているのではないでしょうか。愛情深い素敵な言葉に囲まれて育つ子どもは、人を幸せに出来る素敵な言葉を紡げるようになると思います。

今年もコロナ禍の中で迎える年末年始となります。賑やかでなくとも、家族の温かい言葉の中で、ゆっくりとした大切な時間が過ごせるといいですね。

 

 

 

 

 

2021-12-27

園長からのひとこと【2021/11】

風の冷たさが身に染みるようになりました。寒い冬の季節がやってきます。体調に気をつけながら、寒い冬の季節を楽しみましょう。

さて、先日、ある新聞の投稿欄に山口市の75歳の女性の文章が掲載されていました。それは、数十年前、10歳の娘さんと交わした会話を懐かしむものでした。一部を紹介します。

「雨が上がった。周辺の山々にモヤがかかり、上昇気流となって空へ続く。・・・『お母さん。あれは煙なんよ。』話し始めた。『あのね、山に住む仙人たちが、雨がやんだので一斉にご飯を炊き始めたの。だからね、見て見て、あっちからもこっちからもカマドの煙が出てるの』『空気中の水蒸気が』と言いかけてやめた。娘はお話を作るのが好きだった。時には読んだ本の中の主人公になったりもした。それを聞くのが楽しかった。娘の夢の世界は果てしなく広がる時もあった。なつかしい。」

とても心温まる文章で、何度も読み返してしまいました。子どもが描くキラキラした世界を共有できることは、親の人生にとって掛け替えのない宝物だと思います。キラキラした感性を持つ子どもと過ごせる時間は、過ぎてみますと、案外短いものだと感じます。子育ては苦労も多いですが、歳を重ねたとき、その時間は、きっとキラキラした素敵な宝物になっていくはずです。子どもと過ごす幸せな今の瞬間を、大切にしていきましょう。

 

 

 

 

 

2021-11-28

園長からのひとこと【2021/10】

残暑が続く日々から一転、急に肌寒さを感じるようになりました。短い秋になりそうですが、秋の季節を様々に感じることのできる活動を大切にしていきたいと思います。

さて、先日、正法寺の境内に植えられているフジバカマの花に、アサギマダラという珍しい蝶々が遊びに来てくれました。保育園の子ども達も、フジバカマの周りをヒラヒラと飛び回るアサギマダラの姿に目を輝かせていました。

アサギマダラは、海を渡る蝶々として有名です。夏は東北地方などで過ごし、秋に九州地方などに南下してきます。中には、沖縄や台湾まで1000キロ以上移動するものも発見されているそうです。10センチに満たない小さな虫が、1000キロもの距離を旅するとは驚きです。命が持つ不思議さに、ただただ感動するばかりです。

本来、命溢れるこの世界は、不思議な感動が溢れている世界でもあります。しかし、日々の忙しさの中、命の輝きに気づかないまま過ごしている私達です。小さな虫にも目を輝かせていける子ども達の心は、とても素敵なものです。

秋の深まりの中、子ども達が持つ素敵な心に共感し、様々な命の息づかいを一緒に喜んでいける大人でありたいものですね。

 

 

 

 

 

 

2021-10-28

園長からのひとこと【2021/09】

秋の訪れを間近に感じる季節になりました。今年もコロナ禍のため、通常の大運動会の開催は難しい状況ですが、そんな中でも、運動会に向けて一生懸命練習する子ども達の笑顔が、園庭を彩ってくれています。

さて、先日の9月21日は、今年の中秋の名月にあたる日でした。1年で最もお月様が美しく輝く日です。しかも、今年は8年ぶりに中秋の名月と満月とが重なる特別な年でした。当日は、少し曇り空でしたが、雲の合間にとても美しい満月を見ることができました。

月の明かりというのは、太陽の光とは違い、私達の心にほっとした安らぎを与えてくれるものです。しかし、あんなに美しく輝く月は、自分の力で輝くことができません。太陽の光を受けて、はじめて美しく輝くことができるのです。

これは、私達人間にも言えることのような気がします。人が輝くというのは、その人を輝かせる様々な働きがあってのことでしょう。一人で出来ることは限られています。人も、月と同じように、他からの光を受けて、はじめて生き生きと輝くことができるのだと思います。

昨年に引き続き、今年も、コロナ禍の中での運動会となりますが、周りの方々の光をいっぱいに受けて、キラキラと輝く子ども達の姿に、誰もが感動できる運動会になればと思います。温かい応援をよろしくお願いします。

 

 

 

 

2021-09-29

園長からのひとこと【2021/08】

コロナ禍の緊張が続く中、暑い夏の季節が過ぎようとしています。今年も様々な制限の中で、10月の大運動会へ向けた練習が始まります。過ごしやすくなっていく季節の中、子ども達の成長がいよいよ楽しみです。

さて、先日、日本人の特徴について、とても興味深い記事を見つけました。それは、虫が鳴く声を「虫の声」と聞いているのは、世界の中でも日本人だけだというものです。西欧人やお隣の韓国人や中国人でも、虫の鳴き声は、単なる雑音の一つに過ぎないというのです。これは、虫の鳴き声を機械音や雑音を処理する右脳で聞いているか、人間の話す声の理解など、論理的知的に処理する左脳で聞いているかの違いだそうです。

虫が鳴く声を聞いて、「虫の音」と感じるか「虫の声」と感じるかの違いです。虫の音を聞いている外国人には、虫の思いは聞こえていないでしょう。ただ機械音のような雑音が響いているだけです。しかし、虫の声を聞いている日本人には、虫の思いが聞こえているのです。虫が鳴く声は、虫がお話している声なのです。

虫にも心があることを知っている私達は、とても幸せです。これから秋が深まり、静かな夜に様々な虫の声が聞こえてくるでしょう。子ども達と一緒に、虫の心にも耳を傾け、命を感じていける時間を大切にしていきたいですね。

 

 

 

 

2021-08-28

園長からのひとこと【2021/07】

梅雨明けが発表され、セミの声が聞こえる本格的な夏の季節になりました。いまだマスクが外せない日々が続いています。感染症と熱中症に気をつけながら、夏の暑い季節を乗り切っていきたいと思います。

さて、お釈迦様のお弟子の中に、カルダイという名前の方がおられました。このカルダイは、いわゆる不良青年です。お釈迦様の仏教教団に属しながら、規則を守らない、お釈迦様の言うことも聞かない、問題行動ばかりを起こすはみ出し者だったようです。ところが、このカルダイ、お経の中で聴衆の一人として、よく登場しています。お釈迦様のご法話を聞く場に、よく座っておられたということです。問題行動の多いカルダイでしたが、お釈迦様のお話を聞くのは、好きだったのでしょう。お釈迦様も、その他のお弟子の方々も、不良青年であるカルダイを注意することはあっても、追い出すことはしなかったのです。お釈迦様の周りでは、どんな人間も認められていく世界があり、みんな平等に居場所が恵まれていたのでしょう。

私のことを認めてくれる場所が、私の居場所です。コロナ禍の中、居場所がない人々が増えていると聞きます。子どもの居場所は、大人が作っていかなければなりません。みんなが自分の都合を超えて、お互いに認め合うことの出来る、そんな温かく柔らかい雰囲気の中で、子育てを楽しんでいきましょう。

 

 

 

 

2021-07-28

園長からのひとこと【2021/06】

雨に濡れた紫陽花の美しさが、心和ます季節になりました。田んぼで鳴くカエルの声も、梅雨の季節の到来を告げています。

先日、北海道の札幌市で、商業施設や住宅が建ち並ぶ市街地にクマが出没したというニュースが報道されていました。4人の方が襲われ、重軽傷を負われたそうです。ニュースでは、「クマは、猟友会によって駆除されました」という表現が使われていました。

致し方のないこととはいえ、一つの命が失われた事実を「駆除」という言葉で表現していたことに、一抹の寂しさを感じたことでした。「駆除」という表現には、邪魔者を追い払ったという意味だけが強調され、命を殺めざるをえなかった、人としての心の痛みは隠れています。

「邪魔者なら殺してもいい」という道理を、仏教では邪見といい、そのような物の見方を強く戒めています。この世界に生きるに値しない命など、一つとしてないことを、お釈迦様は、教えてくれています。どんな命も深い慈しみの中にあるのです。殺めざるをえない中に、悲しみを感受できる心を持つことが、本当の人間らしさではないでしょうか。

子ども達には、どんな命をも同じように大切に思える、優しく柔らかい心をいつまでも大切に持ち続けて欲しいものですね。

 

 

 

2021-06-28

園長からのひとこと【2021/05】

新年度が始まり、もうすでに二ヶ月が過ぎようとしています。新型コロナウイルス感染症の感染拡大が続いています。引き続き、感染症対策に気をつけながら、これからの梅雨の季節を、子ども達と一緒に楽しんでいきましょう。

さて、先日の小運動会と保育参観では、コロナ禍の中にも関わらず、快くご協力くださり、まことにありがとうございました。この度は、コロナ禍に配慮し、花まつりの集いも一緒にさせていただきました。お釈迦様のお誕生日をお祝いする花まつりでは、甘茶をいただくのが、大切な習慣になっています。これは、お釈迦様がお生まれになった時に、空から甘露の雨が降ったと伝えられているからです。「甘い」という味は、人の心を癒していく優しさを表しています。雨は、乾いた世界に潤いをもたらすものです。お釈迦様の誕生は、あらゆる命の上に本当の癒しと潤いをもたらすものであることを、甘露の雨のお話は伝えているのです。

甘茶の甘味は、砂糖の200倍ともいわれています。それほど甘いのにカロリーはゼロで、抗アレルギー作用や歯周病に効果のある生薬としても昔から使用されてきました。

コロナ禍の中、誰もが胸が詰まるような毎日を送っています。そんな時だからこそ、甘い味で人に癒しと潤いをもたらす甘茶のように、お互い、ほっとした安心を周りに与えていける優しさを大切にしていきたいですね。

 

 

2021-05-28

園長からのひとこと【2021/04】

あちらこちらで鯉のぼりが元気に泳ぐ季節になりました。保育園では、新しい年度がスタートし、一ヶ月が経とうとしています。新入園の子ども達にも、素敵な笑顔が見られるようになりました。新型コロナウイルスの第4波の流行が、全国に広がりつつあります。引き続き、感染症対策に細心の注意を払っていきたいと思います。ご家庭においても、十分ご注意ください。

さて、今年もツバメの子育ての様子が保育園でも見られるようになりました。ツバメの子育ては、巣作りから始まります。3月下旬頃から、田んぼなどから泥や枯れ草を少しずつ運び、直径13㎝ほどのお椀状の巣を作ります。巣が出来上がったら、中に枯れ草や自らの羽毛を敷き詰めてフカフカのベッドを作り、そこに卵を産むのです。ヒナが卵からかえれば、一日500回以上、巣と餌場を往復し、ヒナを育てていくそうです。ヒナの成長のために、親鳥は生きるのです。一つの命を守り育てていくというのは、本当に大変な苦労が伴うものであることが分かります。しかし、そこに命としての美しさがあるのでしょう。

私達も、様々な人達の温かい苦労の中で育てられてきたのでしょう。子育ての苦労の中には、他には代えがたい喜びもたくさん詰まっています。子ども達の命を慈しみ、苦労の中にも命としての美しさを輝かせていける、そんな愛情深い毎日を大切にさせていただきましょう。

2021-04-28

園長からのひとこと【2021/03】

春の暖かい空気の中、いよいよ、新年度がスタートしました。新入園児の皆さんをお迎えし、一つずつ大きくなった在園児の皆さんと一緒に、今年度も、夢がいっぱいにつまった素敵な日々が始まります。

昨年から始まった新型コロナウイルス感染症の流行は、今年度も、引き続き予断の許さない状況が続きます。制限がある中にも、子ども達の姿が輝く毎日を大切にしていきたいと思います。

嘉川保育園には、阿弥陀如来様がいらっしゃいます。阿弥陀如来様は、どんな命も同じように愛おしく慈しんでくださるみ仏様です。これから嘉川保育園で過ごす子ども達一人ひとりが、阿弥陀如来様に慈しまれる掛け替えのない仏の子です。温かいみ仏様のお心の中で、日々経験していく一つ一つのことが、子ども達にとってかけがえのない成長の糧となっていくことでしょう。楽しいことも、そうでないことも、毎日が、み仏様から恵まれた大切な宝物です。子ども達の笑顔も涙も、宝物のように大切にしていける保育園でありたいと思います。

これからの一年間、保育園と保護者の皆様とが車の両輪のようになって、子ども達の限りない輝きを支え、一緒に心からその輝きを喜んでいくことが出来ればと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。

2021-04-01