園長からのひとこと【2022/09】

ようやく秋の訪れを間近に感じる季節になりました。運動会に向けて一生懸命練習する子ども達の笑顔が、今年も園庭を彩ってくれています。

さて、先日、コウテイペンギンの子育てに関する興味深い記事を見つけました。凍てつく南極大陸に生息する最も体の大きなペンギンです。コウテイペンギンは、卵を産む季節になると、海から天敵のいない内陸へと集団で移動するそうです。よちよち歩きで、50キロ以上も移動するといいます。魚のいない内陸を、何も食べずに2ケ月間、歩き続けるのだそうです。安全な場所で産む卵は、一つだけです。その大切な一つの卵をオスが温めます。凍てつく地面に少しでも卵が触れれば、卵は死んでしまいます。マイナス60℃のブリザードが吹き付ける中を、オスは、さらに2ケ月間、何も食べずにひたすら卵を守るのです。メスは、その間、来た道を歩いて海に戻ります。これから生まれてくるヒナに魚を食べさせるためです。メスも命がけです。無事にメスが魚を獲って帰ってくる頃には、オスの体重は半分ほどになっているそうです。メスもオスも、多くが子育ての途中に息絶えるといいます。まさに命がけの子育てなのです。

コウテイペンギンの子育ては、一つの命が生まれ育つというのは、けっして当たり前のことではなく、とても有難いものであることを教えてくれています。今年も、コロナ禍の中での運動会となりますが、元気に成長している子ども達の姿に、幸せをいっぱいに味わえる時間になればと思っています。温かい応援をよろしくお願いします。

2022/9/30

 

2022-09-30

園長からのひとこと【2022/08】

コロナ禍の緊張が続く中、暑い夏の季節が過ぎようとしています。今年も様々な制限の中で、10月の大運動会へ向けた練習が始まります。過ごしやすくなっていく季節の中、子ども達の成長がいよいよ楽しみです。

さて、昨年、東北大学の川島隆太教授を中心とする研究グループが、スマホの使用時間が長い子どもの大脳に、発達の遅れが見られることを発表しました。川島教授は、5歳から18歳の子ども224名を対象に、3年間の脳の発達の様子をMRI装置を使って観察したそうです。すると、スマホの長時間使用が、子ども達の脳の成長を阻害していることが分かってきたといいます。毎日のように、スマホでインターネットを見る習慣がある子ども達の脳は、3年間、ほとんど成長していなかったそうです。これは、5歳からスマホを見る習慣があったとすると、8歳になっても、脳は、5歳のまま変わらないということです。日常の中に何気なく潜む危険に、はっとさせられたことでした。

やっぱり子どもというのは、たくさん泣いて、たくさん笑って、大人を喜ばせたり、心配させたり、その中でこそ、たくましく成長していけるものなのでしょう。機械ではなく、たくさんの人々や命ある者との関わりを大切に、泣いたり笑ったりの子ども達の姿を喜べる大人でありたいですね。

2022/8/30

 

2022-08-30

園長からのひとこと【2022/07】

セミの声が本格的な夏の到来を告げています。大変暑い日が続いています。熱中症等に気を付けながら、暑い夏を楽しく過ごしていきたいと思います。

さて、今年は、コロナ禍に加え、戦争や痛ましい事件など、次々と胸が締め付けられるような出来事が起こっています。殺伐とした世の中で、改めて人間らしい心を持つことの大切さを思います。

仏教の修行の一つに「ダーナ」と呼ばれるものがあります。日本では「布施(ふせ)」という言葉で伝わっているものです。布施という行為は、「自分が大切にしているものを他人のために施していく」という意味があります。布施の行いの中には、笑顔を見せる和顔施や好ましい眼差しを送る眼施、また、座る場所を譲る床座施など、私達が普段気をつけて行うことができる行為もたくさん説かれています。特別なことではなく、普段の何気ない心遣いが、他人を幸せにし、自分も幸せにしていくのでしょう。

世の中の雰囲気は、人の心が作り上げていくものです。どんな状況においても、自分にできる些細な優しさを大切に、人の笑顔がたくさん見られる毎日を過ごしていきたいですね。

2022/7/27

 

2022-07-27

園長からのひとこと【2022/06】

史上最も早い梅雨明けを迎え、夏本番の季節がやってきました。

仏教で説かれる言葉の一つに「澍法雨(じゅほうう)」というものがあります。仏様の働きを雨に喩えた言葉です。澍という漢字は、「潤う」や「注ぐ」という意味があります。「澍法雨」というのは、仏様の温かい教えの言葉が、まるで草木を潤す雨のように降り注ぎ、私達の心を癒やしてくださることを表現した言葉です。

雨が降り続く梅雨の季節は、活動が制限される人間にとっては、時に都合の悪い季節にもなります。しかし、あらゆる生き物にとって、なくてはならない水が、空から降り注ぐ季節というのは、あらゆる生き物を潤し癒やしていく、とても美しい季節ともいえるでしょう。

今年は、そんな美しい梅雨の季節が、史上最も短いものでした。雨に濡れながら美しく咲く紫陽花の花や、田んぼで鳴くカエルの声など、命が生き生きと輝いている素敵な景色も、もう楽しめないと思うと寂しいですね。

太陽が元気に輝く夏本番を迎えます。子ども達にとっては、暑い中にもワクワクする季節でしょう。子ども達と一緒に、暑い夏を楽しんでいきましょう。

 

 

2022-06-30

園長からのひとこと【2022/05】

新緑が美しい季節になりました。これから梅雨の季節を迎えます。雨の季節ならではの美しさや楽しみも、子ども達と一緒にたくさん見つけていきたいと思います。

さて、先日、元お茶の水女子大学教授の内田伸子先生が書かれた、幼児教育に関する大変興味深い記事を目にしました。それは、家庭での絵本の読み聞かせが、子どもの語彙力に大きな能力差を生み出していくというものでした。内田先生は、文字の読み書きの早期教育よりも、家庭での絵本の読み聞かせの大切さを推奨されています。

絵本には、日常会話では使わない様々な豊かな表現が詰まっています。また、子どもの想像力も大きく膨らんでいきます。しかし、同じ読み聞かせでも、子どもに強制的に読み聞かせることは、逆効果だそうです。親が、子どもと一緒に絵本を楽しみ、子どもと一緒に感動を共有することで、子どもの語彙力が大きく伸びていくのだそうです。

語彙力は、自分の気持ちや物事の状況を上手に説明できたり、その人の人間的な魅力を引き立たせていくものです。子ども達の生きる支えとなっていくものでしょう。

親子が、絵本を読みながら、一緒に喜んだり悲しんだりできる時間は、とても幸せな時間だと思います。子どもは、大好きな家族と幸せな時間をたくさん経験する中で、生きる力が自然と育まれていくのでしょう。忙しい中にも、子どもと過ごす幸せな時間を大切にしていきましょう。

 

 

2022-05-27

園長からのひとこと【2022/04】

満開の桜の花もすっかり散り、新緑の美しい季節になりました。保育園では、新しい年度がスタートし、一ヶ月が経とうとしています。新入園の子ども達にも、素敵な笑顔が見られるようになりました。

さて、現在、保育園の園庭では、子ども達が、たくさんのダンゴムシを捕まえて遊んでいます。潰れないようにやさしく手で包み込んだり、過ごしやすいように草や葉っぱも一緒に虫かごに入れてあげたりする子ども達の姿は、とても微笑ましいものです。

信州大学の森山徹先生という方が、2011年に『ダンゴムシにも心はあるのか』という本を出版されています。森山先生は、大脳のないダンゴムシにも心があることを世界で初めて科学的に証明した先生として、この本で注目を集めました。森山先生は、危機的状況に置かれたダンゴムシの行動を分析し、機械なら同じことを繰り返すだけのところを、試行錯誤し、それぞれに個性ある行動を現すところに、ダンゴムシの心を認めています。小さなダンゴムシにも、喜んだり悲しんだりする心があるのです。子ども達の優しさも、きっとダンゴムシに届いていることでしょう。

小さな虫の心にも寄り添える、そんな優しさを持てることは、人として本当に素晴らしいことだと思います。忙しさに追われる日々の中にも、子ども達が見せてくれる素敵な姿に感動出来る瞬間を大切にしていきたいですね。

 

 

 

2022-04-29

園長からのひとこと【2022/03】

春の暖かい空気の中、いよいよ、新年度がスタートしました。新入園児の皆さんをお迎えし、一つずつ大きくなった在園児の皆さんと一緒に、今年度も、夢がいっぱいにつまった素敵な日々が始まります。

一昨年から始まった新型コロナウイルス感染症の流行は、今年度も、引き続き予断の許さない状況が続きそうです。制限がある中にも、子ども達の姿が輝く毎日を大切にしていきたいと思います。

嘉川保育園には、阿弥陀如来様がいらっしゃいます。阿弥陀如来様は、どんな命も同じように愛おしく慈しんでくださるみ仏様です。これから嘉川保育園で過ごす子ども達一人ひとりが、阿弥陀如来様に慈しまれる掛け替えのない仏の子です。温かいみ仏様のお心の中で、日々経験していく一つ一つのことが、子ども達にとってかけがえのない成長の糧となっていくことでしょう。楽しいことも、そうでないことも、毎日が、み仏様から恵まれた大切な宝物です。子ども達の笑顔も涙も、宝物のように大切にしていける保育園でありたいと思います。

これからの一年間、保育園と保護者の皆様とが車の両輪のようになって、子ども達の限りない輝きを支え、一緒に心からその輝きを喜んでいくことが出来ればと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

2022-04-01

園長からのひとこと【2022/02】

今年度も、残すところ、あと一ヶ月となりました。発表会では、感染症対策にご協力くださり、まことにありがとうございました。感染者数が増加する中での開催となり、ご心配をおかけいたしましたが、子ども達の成長した姿を直接見ていただくことができ、有意義な会となりました。

さて、感染症の流行に加え、戦争の影がちらつくような混沌とした世界情勢になってきました。1400年前に聖徳太子が遺された有名なお言葉に「和をもって貴しとなす」というものがあります。「貴し」というのは、頭が下がる敬うべきものということです。それぞれが他人の気持ちに寄り添い、思い合う平和が保たれる姿は、けっして当たり前にあるものではなく、敬うべき貴いものであることを教えてくださったお言葉です。

子ども達が生きる時代が、穏やかであることを願わずにはおれません。人は、それぞれに異なる心を持っています。自分と異なる心に寄り添うことの大切さを学んでいく場は、子どもの頃の集団生活の中にあります。発表会で輝いた、それぞれの個性を大切に受け止め、仏様のお心の中で、みんながそれぞれを認め合えるような温かい日々を大切にしていきたいと思います。

寒い冬も間もなく終わりを迎えます。コロナ禍の中にあっても、みんな素敵な笑顔で進学・進級が迎えられるよう、保護者の皆様と手を取り合って大切に保育を進めていきたいと思います。引き続き、ご支援・ご協力をお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

 

2022-02-25

園長からのひとこと【2022/01】

新しい年が明けて、早くも一ヶ月が過ぎようとしています。新型コロナウイルスの感染拡大が続いています。十分な感染症対策をとりながらも、温かい保育に気を配っていきたいと思います。引き続き、感染症対策にご協力をお願いいたします。

さて、長引くコロナ禍の中、「孤立感」という言葉をよく聞くようになりました。孤立感を原因とする痛ましい事件も報道されています。人との繋がりが、どれほど大切なことであるのか、改めて教えられている気がします。

仏教の根本的な教えの中に「縁」という物の見方があります。これは、あらゆるものは、無数の繋がりの中で支え合い存在しているという見方です。どんな人、どんな命も、私と関係がないと言えるものは、一つとしてないというのです。どんな人、どんな命も、私のこととして喜び、私のこととして悲しんでいくような心が、本来人が持つべき心であることを、仏教は教えています。

感染症対策をとりながら、発表会の練習が進んでいます。子ども達一人一人が、心を一つにして、みんなで作り上げていく発表会です。コロナ禍の中だからこそ、それぞれが、温かい繋がりを感じる中で、みんなで一緒に輝ける舞台を目指しています。制限のある中ですが、温かい応援をよろしくお願いします。

 

 

 

 

 

 

2022-01-27

園長からのひとこと【2021/12】

年末の慌ただしさが、身に染みる季節になりました。今年も終わりを迎えようとしています。一年を大切に振り返りながら、新しい年への思いを膨らませていきたいですね。

さて、先日、高校生の男の子が、夕方、学校の帰り道に嘉川保育園の前を通ると、一人の園児が、元気な声で「おかえり!」と声をかけてくれたそうです。とても幸せな気持ちになれたことを、嬉しそうに話してくれました。

私達は、日々、様々な言葉に囲まれながら過ごしています。次の瞬間に消えていく言葉もありますし、お釈迦様の言葉のように、何千年も消えずに響き続けるものもあります。一言で、その人を幸せにしたり、逆に、深く傷つけたりもします。言葉が持つ力は、私達の想像を超えています。

近頃は、スマホやゲームなどの普及により、子ども達が、素敵な言葉に触れていく機会が少なくなっているのではないでしょうか。愛情深い素敵な言葉に囲まれて育つ子どもは、人を幸せに出来る素敵な言葉を紡げるようになると思います。

今年もコロナ禍の中で迎える年末年始となります。賑やかでなくとも、家族の温かい言葉の中で、ゆっくりとした大切な時間が過ごせるといいですね。

 

 

 

 

 

2021-12-27