園長からのひとこと【2021/04】

春の暖かい空気の中、いよいよ、新年度がスタートしました。新入園児の皆さんをお迎えし、一つずつ大きくなった在園児の皆さんと一緒に、今年度も、夢がいっぱいにつまった素敵な日々が始まります。

昨年から始まった新型コロナウイルス感染症の流行は、今年度も、引き続き予断の許さない状況が続きます。制限がある中にも、子ども達の姿が輝く毎日を大切にしていきたいと思います。

嘉川保育園には、阿弥陀如来様がいらっしゃいます。阿弥陀如来様は、どんな命も同じように愛おしく慈しんでくださるみ仏様です。これから嘉川保育園で過ごす子ども達一人ひとりが、阿弥陀如来様に慈しまれる掛け替えのない仏の子です。温かいみ仏様のお心の中で、日々経験していく一つ一つのことが、子ども達にとってかけがえのない成長の糧となっていくことでしょう。楽しいことも、そうでないことも、毎日が、み仏様から恵まれた大切な宝物です。子ども達の笑顔も涙も、宝物のように大切にしていける保育園でありたいと思います。

これからの一年間、保育園と保護者の皆様とが車の両輪のようになって、子ども達の限りない輝きを支え、一緒に心からその輝きを喜んでいくことが出来ればと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。

2021-04-01

園長からのひとこと【2021/03】

今年度も、残すところ、あと一ヶ月となりました。発表会は、保護者の皆様に直接ご覧いただくことができず、大変残念でしたが、子ども達はカメラの前で程よい緊張を味わいながら、一生懸命取り組んでいました。間もなくDVDをお届けできると思います。楽しみにお待ちください。

さて、先日、お隣の防府市にコウノトリが飛来しているという記事が新聞に掲載されていました。2月に入り、ため池などで度々目撃されているそうです。コウノトリは、昭和46年を最後に野生から姿を消し、現在、最後の生息地であった兵庫県豊岡市が中心となり、野生復帰に向けた様々な取り組みが行われているそうです。この度、防府市に飛来したコウノトリは、昨年3月に徳島県でふ化した鳥だということでした。

コウノトリは、幸せを運ぶ鳥と言い伝えられてきたことで有名です。それは、赤ちゃんを運んでくる鳥として信じられてきたからです。子どもは授かり物という、昔の人々の豊かな感受性を伝える素敵な鳥です。人は命を壊すことはできますが、作り出すことはできません。私達は、無数の様々なご縁の中で、不思議としか言いようのない命の出会いをさせていただいているのでしょう。

子育ては楽しいことばかりではありません。しかし、それは、掛け替えのない幸せが運ばれてきたことであることを、コウノトリは教えてくれています。残り一ヶ月で、進学・進級していく子ども達です。成長した姿の上に、幸せをいっぱいに感じてあげられる毎日を大切にしていきましょう。

 

 

2021-02-27

園長からのひとこと【2021/02】

新しい年が明けて、早くも一ヶ月が過ぎようとしています。先日は保育園にも雪が積もり、雪を見て喜ぶ子ども達の声が、明るく保育園を彩ってくれました。

さて、昨年の1月15日が、日本ではじめて新型コロナウイルスの感染者が確認された日だそうです。それから一年が過ぎ、私達の生活様式も一変してしまいました。特に大きく変わったものの一つとして、みんなが集まっての会食があります。コロナ禍の中、みんなが集まって会食する場ははばかられ、避けられるようになりました。

ある歴史学者の先生が、日本の中世社会における会食が、重要な儀式であったことを、ある雑誌に紹介されていました。中世社会では、人々が集まり共に食事をすることは、お互いの関係をより一層緊密にして、連帯感を育んでいく大切な儀式的行為だったそうです。昔の人々は、会食を、ただ楽しむものとしてではなく、人々の連帯感を生んでいくためになくてはならないものとして考えていたということでした。

現代の人々は、会食について、そこまで真剣に考えている人は少なかったでしょう。しかし、このような状況になってみると、人と繋がりを深める場が、私達にとって、どれほど大切なものであったかが知らされます。

まもなくコロナ禍で迎える初めての発表会です。子どもの輝く姿を通して、子ども、保護者、職員が温かく繋がりを味わえる発表会を目指しています。直接ご覧いただくことは叶いませんが、みんなが笑顔になれる映像をお届けしますので、楽しみにお待ちください。

 

2021-02-01

園長からのひとこと【2020/12】

年末の慌ただしさが、身に染みる季節になりました。今年も終わりを迎えようとしています。

さて、毎年、京都の清水寺で今年の世相を表す漢字が発表されています。今年は、「密」という漢字でした。新型コロナウイルスの流行が始まってから、世界中で人々が密になる状態を警戒するようになりました。「密」という言葉は、今では、恐くて危険というイメージがあります。しかし、本来、人々が密になることは、決して悪いことではありません。清水寺の森貫主も「コロナ禍だからこそ、心のつながりの大切さを知る大切な一字」というコメントをされていました。

生きる上で、最も恐ろしい状態は、密ではなく孤独だと思います。どんな人も、様々な想いや働きの中で生かされて生きています。密に人との繋がりを感じる中に、人間らしい日暮らしが恵まれていくのでしょう。

まだまだ人が密に集まることのできない日々は続きそうです。今年の年末年始は、自宅で家族だけで過ごされる方も多いことでしょう。密になれない時だからこそ、密に繋がることのできる家族の存在は本当にありかたいものです。コロナ禍の中で迎える年末年始、家族の温かい繋がりを大切に、お互いの心は密にして迎えましょう。

2020-12-25

園長からのひとこと【2020/11】

風の冷たさが身に染みるようになりました。寒い冬の季節がやってきます。

さて、以前、ある講演会で、人間の体内時計について、お話を聞かせていただいたことがありました。人間の体は、二十四時間の中で活動期と休眠期のサイクルを持っているそうです。日中、太陽の光が明るい時には、人間の体は、元気に活動できるように働きます。

一方で、太陽が沈み夜に近づくと、人間の体は、血圧と体温を下げ、消化機能を低下させて、眠る準備に自然と入るようになっているそうです。この体内時計は、何十億年と掛けて、進化の過程の中で出来上がったそうですが、現代は、夜になっても明るい時代になり、体内時計が正常に機能しなくなり、それが原因で病気に罹る人が多くなっているということでした。体内時計のズレを防止するには、規則正しい生活はもちろんのことですが、人間の場合、家族と食事をするなどの人との繋がりを感じることが、とても大切だということです。

これから年末に向け、新型コロナウィルスの感染拡大に加え、インフルエンザ等のその他の感染症の流行も心配されます。忙しい中にも、温かい家族の繋がりを大切にしながら、規則正しい毎日を送り、コロナ禍の冬を上手に乗り切っていきましょう。

 

2020-11-30

園長からのひとこと【2020/10】

朝夕の空気が冷たくなり、あちらこちらに秋の深まりを感じられる季節になりました。運動会では、様々な制限の中にも、子ども達の大きく成長した姿を保護者の皆様と一緒に喜べる時間がもてました。様々なお願いにも快くご協力くださり、まことにありがとうございました。

さて、先日、真っ暗な夜道を歩いていたとき、大きな土の塊が道に落ちていると思い、懐中電灯で照らすと、それが大きなウシガエルだったという話をある人から聞かせてもらいました。

仏教では、仏様の教えの言葉を光に喩えることがあります。光には、真っ暗な中で見えないものを見せてくれる働きがあります。私達は、先の見えない不安に覆われると、大切なものを見失いがちです。喜ぶべきものを喜べなかったり、感謝すべきものを見過ごしてしまったり、まるで、暗闇の中で大切な命を土の塊と思い込んでいるようなものです。

大切なことにはっと気づかされる素敵な言葉というのは、仏様の言葉以外にもたくさんあるように思います。まるで真っ暗な夜道を歩いているかのような不安な毎日が続きますが、そんな中でも、大切なことにはっと気づかされ明るさを味わえる素敵な言葉に耳を傾けていきたいですね。

 

2020-10-30

園長からのひとこと【2020/9】

秋の訪れを間近に感じる季節になりました。今年は、コロナ禍のため、通常の大運動会の開催は難しい状況ですが、そんな中でも、運動会に向けて一生懸命練習する子ども達の笑顔
が、今年も園庭を彩ってくれています。

さて、今年も暑い日が続きましたが、彼岸花が咲いた頃を境に秋の気配が深まってきました。お彼岸に必ず咲く真っ赤な彼岸花は、葉っぱのない花としても有名です。しかし、彼岸
花にも葉っぱはあるそうです。それは花が枯れた後に、葉っぱだけが、人知れず球根から伸びてくるのだそうです。その葉っぱは、冬を越し翌年の夏まで枯れずに繁り、その間、光合
成による栄養を球根に送り続けていきます。夏頃に葉っぱが枯れ、秋のお彼岸の頃に、栄養がたっぷりになった球根から、真っ赤な花が咲くのです。その花の寿命は、わずか一週間で
す。一週間の間、みんなに注目される真っ赤な花には、誰にも知られない葉っぱによる約10ヶ月もの地味な準備があるのです。

花だけではありません。命あるものの輝く姿には、人知れない様々な努力やその命に向けられた温かい働きが必ずあるものです。今年は、様々な制限がある運動会の開催となります
が、子ども達自身の頑張りや多くの方々の温かい想いが、輝きとなって園庭にいっぱいに広がる素敵な時間にできたらと思います。温かい応援をよろしくお願いします。

 

 

2020-09-30

園長からのひとこと【2020/8】

お盆が過ぎ、連日続いていた猛暑も、少し和らいできたように思います。コロナ禍の中で様々な制限はありますが、10月の大運動会へ向けた練習も始まります。過ごしやすくなっていく季節の中、子ども達の成長がいよいよ楽しみですね。

さて、先日、セミがカマキリに捕まり、生きたまま食べられているという衝撃的な光景に出くわしました。細い体をしたカマキリが、決して小さくはないセミの体を食べている光景は、残酷なものでしたが、改めて命の現実を教えられた気がいたしました。

私達も、自分では殺さなくても、自分以外の誰かが殺した命を毎日食べています。そこに、重みを感じることができているでしょうか。どんな命であっても、誰かに殺され、誰かに食べられるために生まれてきた命は一つとしてないのです。みんな命を奪われるときには、大きな悲しみを抱くはずです。そんな大きな悲しみの上に、私の命が恵まれていることを忘れてはならないでしょう。

人間らしい思いやりの心というのは、何気ない日常生活の中で育まれていくものです。依然として収まらないコロナ禍や大規模な水害など、人々の心が緊張し傷ついていく毎日を生きる私達です。このような時こそ、子ども達と一緒に、日常生活の中で、思いやりが持てる過ごし方を、意識して大切にしていきたいですね。

2020-08-27

園長からのひとこと【2020/7】

長い梅雨の季節が続いています。未だコロナ禍が収まらない中に、全国で豪雨被害が頻発しています。多くの被災者の方々に、心寄せていく毎日を大切にしたいと思います。

さて、連日報道される豪雨被害のニュースの中で、岐阜県にある樹齢1,000年を超える杉の大木が、この度の豪雨によって倒れるというものがありました。地域では、神社のご神木として大切にされていたそうです。 1,000年もの月日を乗り越えてきた大木が、簡単に倒れるほどの豪雨を、私達は今、目の当たりにしているということなのでしょう。 1,000年という杉の木が過ごした長い年月も、限りあるものとして見れば、とても大切な掛け替えのない時間に思えます。どんなものにも限りがあり、けっして永遠ではないことを改めて教えられたことでした。

感染症の流行や自然災害など、歴史的にも大変な時代状況の中に生きる私達ですが、限りある命を生きる私達にとっては、今の状況も、掛け替えのない人生の1ページなのでしょう。

心痛める中にも、子どもと過ごす今という瞬間の中に幸せを味わい、温かさと明るさを大切にする毎日を送っていきましょう。

 

 

 

2020-07-30

園長からのひとこと【2020/6】

雨に濡れた紫陽花の美しさが、心和ます季節になりました。田んぼで鳴くカエルの声が、梅雨の季節の到来を告げています。

先日、ネットニュースで、「中国料理店主が知った日本語『かさ地蔵』」という記事を見つけました。東京で中国料理店を営む中国人店主が、お店の売り上げが激減し、自らが困窮する中にあって、自分のように新型コロナウイルスの影響で困窮する人達を想い、4月14日から6月2日まで、毎日、無料でお弁当を配布したそうです。すると、その後、大量の野菜をそっと店先に置いてくださる方や、誰からか現金が送られてくるなど、店主に対する応援や感謝の行いが、後を絶たない状況になっていったという内容でした。まさしく、現代のかさ地蔵です。店主は、日本人の友人から「まるでかさ地蔵みたい」と言われて、初めて日本の昔話「かさ地蔵」の存在を知ったそうです。

かさ地蔵の物語に喩えられるこのエピソードには、お互いに「私がやってあげた」という自己主張の全くない本当の優しさが溢れています。人を思いやる優しい心は、新たな優しさを生んでいきます。逆に、人を傷つける憎しみの心は、新たな憎しみを生んでいくのです。

世界中が、未だに未曾有のコロナ禍の中にあります。不安と緊張が続く中、お互いに温かく人を思いやる本当の優しさが溢れる毎日を送っていきたいですね。

2020-06-30