園長からのひとこと【2019/9】

厳しい暑さも次第に影をひそめ、朝夕は、涼しい空気に包まれるようになりました。

さて、今年は、8月から台風が何個も発生する異常な気象が続いています。8月15日の終戦記念日も、今年は、ほとんどが台風のニュースばかりで、残念な思いがしました。あおり運転や韓国との関係悪化、香港のデモなど、人の心が、どこか荒んできているこの時期に、改めて戦争について深く心を傾けていくことは、本当に大切なことだと思います。

今から約1400年前、有名な『十七条憲法』において「和をもって貴しとなす」と言われた聖徳太子は、仏教を心から敬っておられた政治家でした。あの権力争いが絶えなかった古代の日本において、聖徳太子が摂政に就いておられた間だけ、不思議と戦争が起きていません。その聖徳太子は、『十七条憲法』第十条において、こんなことをおっしゃっています。
原文は難しいので、意訳でご紹介します。

「人と意見が違うからといって怒ってはなりません。人には皆、それぞれ曲げることのできない心があります。自分か正しいと思うことが、必ずしも相手にとって正しいことではありません。私は、物事を見通すことのできる聖人ではないのです。また、相手が、物事の分からない愚か者でもないのです。お互いに、聞違いを起こしやすい、普通の人間であることを忘れてはなりません。相手が怒った時は、相手を怒らせてしまった自分自身の過ちを反省しなさい。」

人の心は、時として、恐ろしいほどに暴走していくことがあります。自分を見つめる目を持ち、相手を思いやる心を持つことの大切さは、いつの時代でも変わらないでしょう。親子共々、戦争を知らない世代だからこそ、年に一度の終戦記念日は、大切に心を寄せていきたいですね。

2019-08-30