園長からのひとこと【2016/07】

雨に濡れた紫陽花の美しさが、心和ます季節になりました。田んぼで鳴くカエルの声も、梅雨の季節の到来を告げています。
先日、美祢市のあるお寺を訪れた時、池一面に真っ白なスイレンの花が咲き誇っているのを見ました。ご住職のお話によると、スイレンを上手に育てるのには、池の中の泥が大切だということでした。栄養を含んだ良い泥を作るために、夕食の残飯などを、よく池に投げ入れるそうです。見た目には、水の濁った汚い池になるそうですが、見た目に濁った汚い池ほど、きれいなスイレンの花がしっかりと咲いてくれるそうです。
泥の中に咲く蓮の花は、昔から仏教で大切にされてきました。それは、人が避けようとする汚いものの中にも、大切な意味が込められていることを、蓮の花は教えているからです。楽しいことばかりでなく、悲しいことや辛いことも経験する中に、人としての大切なことが教えられていくのでしょう。子ども達にも、悲喜こもごも、様々な経験を大切にさせてあげたいですね。

2016-07-01