園長からのひとこと【2019/3】

今年度も、残すところ、あと一ヶ月となりました。四月には見ることが出来なかった、それぞれの子ども達の成長した姿が、保育園を彩っています。発表会には、本当に多くの保護者の皆様がお越しくださいました。子ども達にとって、ご家族の皆様の温かい眼差しが何よりもの力になったことと思います。まことにありがとうございました。

さて、先日、ある方から『ダンゴムシにも心はあるのか』という本を紹介いただきました。信州大学の森山徹先生が書かれた本です。森山先生は、大脳のないダンゴムシにも、心があることを世界で初めて科学的に証明した先生として、注目を集めています。森山先生は、危機的状況に置かれたダンゴムシの行動を分析し、機械なら同じことを繰り返すだけのところを、試行錯誤しそれぞれに個性ある行動を現すところに、ダンゴムシの心を認めています。保育園の子ども達も大好きな、あのダンゴムシにも、ちゃんと心があるという話は、とても温かい気持ちになれるものでした。

様々な命が、様々な心を持っていますが、小さな虫の心にも耳を傾けてゆける心を持っているのは、人間だけではないでしょうか。お釈迦様も、他の命の心を受け止めていくことの大切さを教えておられます。

発表会を終え、就学、進級に向かって、また一つ大きく成長した子ども達ですが、これからも、機械にはない命が持つ心の温かさをいっぱいに感じながら、素敵な大人に成長していってもらいたいものですね。

 

2019-02-27

園長からのひとこと【2019/2】

新しい年が明けて、早くも一か月が過ぎようとしています。今年の冬は、暖かい日が続いていますが、それでも、インフルエンザは例年と同じように大流行しています。ご家庭でも、
手洗い、うがいを徹底され、体調に充分に気を付けて冬の季節を楽しみましょう。

さて、先日は、保育園でも親鸞さまの報恩講が勤まりました。親鸞さまのご法事である報恩講では、お斎(おとき)と呼ばれる精進料理をいただきます。普段、生き物の掛け替えのない命をいただきながら、それを省みることなく、まるで殺生を楽しんでいるかのような生き方をしている私達です。お斎というのは、普段のそんな生き方を省みて、自らの心を慎んでいく意味があります。恥ずかしさを忘れ欲望をむき出しにしていくような生き方を仏教では畜生(ちくしょう)と言います。そんな生き方を省みて、申し訳ないと慎んでいく生き方を仏教では人と言うのです。慌ただしい中に、ついつい人らしさを忘れていく私達です。人らしく、自分を省みる時間も大切にしていきたいですね。

今、保育園の子ども達は、発表会に向かって、一生懸命練習に取り組んでいます。太陽の光を受けて輝く雪のように、子ども達もご家族の温かい眼差しを受けて、舞台の上でより一層輝いていくと思います。どうぞ、ご家族そろってお越しください。お待ちしています。

 

2019-02-01

園長からのひとこと【2019/1】

年末の慌ただしさが、身に染みる季節になりました。今年も終わりを迎えようとしています。人それぞれの味わいの中で、時は過ぎてゆきます。各ご家庭で、今年一年の思い出を振り返ってみてはいかがでしょう。子ども達は、どんな素敵な思い出を語ってくれるでしょうか。

さて、毎年、京都の清水寺で今年の世相を表す漢字が発表されていますが、今年は、「災」というものでした。今年だけでなく、この数年は、毎年のように大きな災害が世界各地で起こっています。異常気象をはじめ、地球全体が悲鳴をあげているような気さえします。仏教では、自分以外の他の命の悲しみに寄り添い、他の命の幸せを願う心を大切なものとして教えています。それは、あらゆる命は、深いところで全て一つに繋がっているとみていくからです。この世界は、あらゆるものが関わり合って成り立っています。一人ひとり、一つひとつの命は、それぞれが支え合い、恵まれ合う中に生かされています。

平成最後のお正月をまもなく迎えます。ある新聞に、平成の時代は、家族が減少し独身者が増えた時代だと書かれていました。慌ただしい年末年始ですが、家族や様々な人々に恵まれている幸せを、子ども達がたくさん感じられるような温かい時間を大切にしてゆきたいですね。

2018-12-26

園長からのひとこと【2018/12】

風の冷たさが身に染みるようになりました。寒い冬の季節がやってきます。インフルエンザ等の病気が流行する季節でもあります。手洗いやうがい等、ご家庭でも、子どもの健康管理に気を付けていただきたいと思います。

さて、先日、京都にある三十三間堂を訪れる機会がありました。三十三間堂には、千体の千手観音菩薩像がご安置されています。千体の菩薩像が整然と並んでいる姿は、圧巻の光景で、見る人を神秘的な世界に引き込む不思議な力を感じたことでした。

観音菩薩というのは、とても有名な菩薩様ですが、観音という言葉は、「音を観る」という意味を持っています。何の音かと言うと、命あるものの心の音です。命あるものの悲しみや苦しみの心の音を感じ取り、千本の手で、あらゆる手段を尽くして、その抱える悲しみを取り除こうとする働きを表わしています。命あるものの悲しみに寄り添う姿の中に、人にとって尊ぶべきものがあることを、昔の人々は感じていたのでしょう。

これから年末に向けて、何かと慌ただしい日々を過ごされることと思います。慌ただしい中で、自分中心になりがちな私達です。どんな時も、子どもの心に寄り添い、周りの人々の心を感じ取れる、そんな観音菩薩様のような優しい私でありたいですね。

2018-12-01

園長からのひとこと【2018/11】

朝夕の空気が冷たくなり、あちらこちらに秋の深まりを感じられる季節になりました。運動会やバス遠足では、保護者の皆様にも多くのご支援を賜りました。ありがとうございました。

バス遠足で訪れた山ロゆめ花博も、もう少しで終わりを迎えます。連日、予想をはるかに上回る人出で、その盛況ぶりに驚かされたことでした。しかし、色とりどりの数多くの花が一斉に咲き誇る景色は、多くの人々が引き付けられたのも、十分に頷ける素晴らしいものでした。

世界には、約20万種類の花があるそうです。チューリップの歌の歌詞に「どの花見てもきれいだな」とありますが、まさしく20万種類、どの花を見ても、人は、きれいだなと感じるのではないでしょうか。それは、どの花も、ただ一生懸命に咲いているからだと思います。花には、損得勘定からくる嫌味が、まったくありません。ただただ一生懸命に、命いっぱいに咲かせている姿に、人は命が持つ美しさを感じ、感動していくのでしょう。

一斉に咲き誇る花の美しさを通し、命が持つ掛け替えのない輝きを、改めて教えられた気がします。花の美しさは、人の心を癒し、また、優しく育ててくれます。親子で庭や道端に咲く花に思いを寄せるような、そんな穏やかな時間も大切にしていきたいですね。

2018-10-31

園長からのひとこと【2018/10】

暑かった夏の空気もやわらぎ、秋の訪れを間近に感じる季節になりました。保育園では、運動会に向けた練習が連日行われ、子ども達のはじけるような元気な姿が、園内に満ち満ちています。

さて、二年後の東京オリンピックに向けて、様々なスポーツ競技での日本人選手の活躍が、連日テレビや新聞を賑わせています。その中に、日本人男子初となる世界選手権での金メダルを獲得したバドミントンの桃田賢斗選手の活躍がありました。桃田選手は、二年前のリオデジャネイロオリンピックの直前に違法賭博が原因で、無期限の出場停止処分を受けました。様々な報道を見ていますと、二年前は金髪に派手な装飾品といった姿だったのが、今は、見た目だけでなく話しぶりも素朴な青年になったといいます。また、出場停止処分中に人知れず積み重ねた努力は、凄まじいものがあったそうです。

一生の中で何も過ちを犯さない人はいないでしょう。もしいるとすれば、それは仏様です。仏様でない人間は、必ず一度は、つまづき転んでしまうものです。しかし、夢を持って真面目に努力を積み重ねてきた人は、転んでも、またやり直せること、そして、挫折を力に変えてさらに成長していけることを桃田選手は教えてくれています。

子どもの運動会は、失敗したり、転んだり、泣いたりと様々な予想外のことが起こります。でも、それまで、一人ひとりが、色んな思いの中で積み重ねてきたそれぞれの頑張りは、決して無駄なものではありません。子ども達の頑張りを、みんなで受け止め讃えてゆける素敵な運動会になればいいですね。たくさんの温かい応援をお待ちしております。

2018-09-27

園長からのひとこと【2018/09】

厳しい残暑が、まだまだ続きそうですが、非常に暑かった夏も終わりが近づいてきました。九月からは、いよいよ大運動会の練習も始まります。過ごしやすくなっていく季節の中、子ども達の成長がいよいよ楽しみですね。

さて、先日、甲子園球場において第100回目となる全国高校野球選手権記念大会が開催され、連日にわたり、高校球児による熱戦が繰り広げられていました。唸るような酷暑の中、最後まであきらめず、一生懸命プレーする高校球児の姿は、多くの感動を与えてくれました。様々な教育理念をもった高校が出場していましたが、その中に、親鸞さまのみ教えを教育理念としている京都代表の龍谷大平安高校も出場していました。龍谷大平安高校の球児達は、試合が始まる前と終わった後、勝っても負けても、必ず整列して合掌礼拝をしていました。これは、「一生懸命した」ではなく、「一生懸命させていただいた」という心を大切にしている姿だと思います。勝っても負けても、様々な心や働きに支えられて、一生懸命させていただいた幸せを噛みしめていく、そんな姿に改めて感動をいただいたことでした。

嘉川保育園の運動会も、開会式と閉会式で必ず合掌礼拝をいたします。様々な人々や働きのおかげで一生懸命させていただける幸せを噛みしめながら、精一杯の力で練習を進めていきたいと思います。温かい応援をよろしくお願いします。

2018-08-30

園長からのひとこと【2018/08】

セミの声が本格的な夏の到来を告げています。今年の夏は、すでに猛暑が続いています。熱中症や水の事故等に充分に気を付けて、暑い夏を元気に過ごしていきたいと思います。

さて、今年も、日本各地で豪雨による災害が頻発しました。特に、隣の広島県や岡山県は、大変な惨状です。濁流に流され、行方不明になられた方のお話を聞きますと、胸が締め付けられるような思いがします。

仏教の修行の一つに「ダーナ」と呼ばれるものがあります。日本では「布施(ふせ)」という言葉で伝わっているものです。布施という行為は、「自分が大切にしているものを手放し、苦しみを抱える人の為に尽くす」という意味があります。布施の行いの中には、笑顔を見せる和顔施や好ましい眼差しを送る眼施、また、座る場所を譲る床座施など、私達が普段気をつけて行うことができる行為もたくさん説かれています。苦しくてどうしようもない時、些細な優しさが、苦しい心を大きく癒していくことがあると思います。

七月の三連休には、四万人を超えるボランティアの方々が被災地に入られたそうです。日本人の心の温かさを改めて教えられたような気がします。一人一人、できることには限りがありますが、私達も、人の痛みに無関心になるのではなく、一緒に心を痛めながら、自分にできる些細な優しさを大切にしていきたいですね。

2018-07-27

園長からのひとこと【2018/07】

雨に濡れた紫陽花の美しさが、心和ます季節になりました。田んぼで鳴くカエルの声も、梅雨の季節の到来を告げています。

先日、紫陽花の花の色について、土壌が大きく影響することを聞きました。一般的に、酸性の強い土壌なら青い花が咲き、逆に、アルカリ性の強い土壌なら赤い花が咲くそうです。また、酸性とアルカリ性が中間の土壌には、紫の花が咲くそうです。

咲く場所によって、花の個性が様々に異なっていくというのは、人にも当てはまるような気がします。人も、生まれた場所、育つ環境によって、それぞれの個性に違いが生まれてきます。しかし、どんな色の紫陽花も美しいように、その人が持っている掛け替えのない個性もそれぞれに輝きがあると思います。人は、様々な温かい働きの中で愛され育まれ、その人にしかない美しい花を咲かせていくのではないでしょうか。

子育ては、苦労の連続ですが、子ども達の上に必ず咲いていく美しい花を楽しみに、一途に子どもに関わってゆける大人でありたいものですね。

2018-06-27

園長からのひとこと【2018/06】

新年度が始まり、もうすでに二ヶ月が過ぎようとしています。新入園の子どもたちも、すっかり保育園の生活に慣れ、楽しく毎日を過ごしています。これから、梅雨の季節に入ります。日本特有の梅雨の季節を、子ども達と一緒に楽しんでいきたいですね。

さて、先日、お釈迦様のお誕生をお祝いする花まつりの集いを、保育園で開かせていただいた時、初めて口にする甘茶の味に、子どもも保護者の方も幸せそうに顔を綻ばせている姿が印象的でした。花まつりで甘茶をいただくのは、お釈迦様がお生まれになった時に、空から甘露の雨が降ったと伝えられているからです。「甘い」という味は、人の心を癒していく優しさを表しています。お釈迦様の誕生は、あらゆる命の上に本当の癒しをもたらすものであることを甘露の雨のお話は伝えているのです。

甘茶は、アジサイの一種ですが、甘茶の葉っぱを天日干しして、その後、発酵させます。その発酵の過程で、あの甘味が出るのです。その甘さは、砂糖の200倍ともいわれています。それほど甘いのにカロリーはゼロで、抗アレルギー作用や歯周病に効果のある生薬としても昔から使用されてきました。

子育てと仕事に追われる忙しい毎日を誰もが送っていますが、甘い味で人を癒す甘茶のように、ほっとした安心を周りに与えていける優しさも大切にしていきたいですね。

2018-05-31