園長からのひとこと【2016/10】

朝夕の空気もすっかり冷たくなり、秋の訪れを間近に感じる季節になりました。保育園では、運動会に向けた練習が連日行われ、子ども達のはじけるような元気な姿が、園内に満ち満ちています。運動会当日には、きっと練習以上の力を発揮してくれることと思います。
さて、先日、NHKスペシャルで、義足の走り幅跳び選手、ドイツのマルクス・レーム選手の身体能力についての特集が放映されていました。レーム選手は、14歳の時、事故で右足の膝から下を失ったそうです。元々、ウェイクボードの選手だったそうですが、20歳の時に走り幅跳びの選手に転向し、昨年10月に開かれた障害者陸上世界選手権では、障害者の世界新記録となる8メートル40センチの記録を出します。先日開催されたリオデジャネイロオリンピックの金メダル記録が、8メートル38センチですから、驚異的な記録です。なぜ、義足の選手が、健常者のトップ選手を上回るようなジャンプができるのか、NHKでは、ドイツ、日本、アメリカの大学や研究機関とともに、レーム選手の脳や体について、あらゆる角度から科学的な検証を行っていました。義足がバネになっているのではないかという批判もある中、見えてきたのは、右足を失ったがゆえに発達した脳の機能や独特の体の使い方などでした。人間には、無限の可能性があることを、レーム選手は証明してくれているのです。
子どもこそ、そんな無限の可能性を秘めた存在です。大好きな家族の愛情が、子ども達に秘められた力を、存分に引き出していくことと思います。運動会では、練習以上の力が出せるような、たくさんの温かい応援をお待ちしております。

2016-10-01