園長からのひとこと【2024/5】

新緑が美しい季節になりました。これから梅雨の季節を迎えます。雨の季節ならではの美しさや楽しみも、子ども達と一緒にたくさん見つけていきたいと思います。

さて、嘉川保育園の広い園庭には、たくさんの虫達がいます。子ども達は、園庭の虫達と遊ぶのが大好きです。この虫について、先日、興味深い記事を見つけました。それは、2010年代以降、虫について、感情に似た脳機能を持っている可能性があることが、科学論文で報告されることが増えているというものです。虫にも、私達と同じ感情があることが、最近の研究で明らかになりつつあるというのです。

親鸞様は、あるお書物の中で「ものの身となる」というお言葉を遺されています。これは、仏様という存在が、どんな命に対しても、その命の身となっていくものであることを教えられたものです。命の身となるというのは、その命の心を聞き、その命と一緒に悲しみ、一緒に喜んでいくということです。

子ども達が、虫と遊ぶときにも、虫の心を聞きながら遊ぶことが、とても大切なことだと思います。虫の悲しみや喜びに共感しながら遊ぶ世界は、単なるおもちゃで遊ぶ世界にはない豊かさがあります。道具とは異なる心がある命と触れあう中で、私達人間の心も育てられていく世界があるのでしょう。本当の優しさは、他の命の声を聞いていく感受性の中に芽生えていくものではないでしょうか。

梅雨の季節を迎えて、あらゆる命と触れあう中に、子ども達と一緒に本当の優しさを感じられる日々を大切にしていきたいですね。

2024/5/29

 

 

2024-05-28