園長からのひとこと【2017/08】

梅雨が明けきれない中にも、セミの声が聞こえ始めました。蒸し暑い日が続いていますが、今年の夏も、猛暑が続くようです。熱中症や水の事故等に充分に気を付けて、暑い夏を元気に過ごしていきたいと思います。

さて、先日から、日本各地で豪雨による災害が頻発しています。特に、九州北部の豪雨災害は、大変な被害をもたらしました。濁流に流され、行方不明になられた方のお話を聞きますと、胸が締め付けられるような思いがします。

仏教の修行の一つに「ダーナ」と呼ばれるものがあります。日本では「布施(ふせ)」という言葉で伝わっているものです。布施という行為は、「自分が大切にしているものを手放し、苦しみを抱える人の幸せを願う」という意味があります。

私達は、テレビ等で苦しみの中にある人達の声を聞いても、自分の生活や大切なものを手放してまで助けてあげたいとは、なかなか思えません。善き行いをすることは、本当に難しいことです。しかし、災害の現状を知った時、他人事として済ますのではなく、やはり、一緒に心を痛めていくような感情は必要ではないでしょうか。人同士の温かい繋がりの中に、本当の人間らしい心が育まれていくのだと思います。

今年の夏も、悲しいことうれしいことを含めて様々なニュースが聞こえてくることでしょう。親子で、ニュースを聞きながら、一緒に喜んだり悲しんだりする時間も大切にしたいものです。

2017-07-31