園長からのひとこと【2019/12】

年末の慌ただしさが、身に染みる季節になしました。令和最初の年も終わりを迎えようとしています。

さて、今年は、大変暖かい冬を迎えています。まだ畑にトマトやナスビなどの夏野菜が見られたり、庭にアジサイの花が咲いたりと、植物も冬の暖かさに戸惑っているようです。今年、スウェーデンの16歳の女子高生であるグレタ・トゥーンベリさんが、国連で世界の温暖化対策について怒りのスピーチをしたことが注目されました。世界の多くの人が、地球の環境破壊に大きな危機感を持っている表われです。

人間が幸せに暮らすために作られた多くの工場が、環境破壊の大きな原因だといわれています。幸せに暮らすために作られたものによって苦しめられるとは、実に皮肉なものです。お釈迦様は、自分の幸せだけを追求するところに、本当の安らぎは決して訪れないことを教えています。今日の地球の環境破壊は、人間だけの幸せを追求してきたところに大きな原因があるような気がします。

仏教では、湿気の中から生まれるカビのような命にも仏様の慈愛が詰まっていると教えています。自分の身の回りにある様々な命を愛おしく思える仏様のような眼差しは、これからの世界では、本当に大切なものになってくるのではないでしょうか。暖かい年末を迎えた今年、改めて、自分以外のものに対する優しい心遣いについて、共に振り返る年にしていきたいですね。

2019-12-26