園長からのひとこと【2023/07】

雨に濡れた紫陽花の美しさが、心和ます季節になりました。田んぼで鳴くカエルの声も、梅雨の季節の到来を告げています。

雨の多い梅雨の季節が明けると、いよいよ暑い夏の季節がやってきます。数年前、暑い夏の季節に、池一面に咲き誇る薄いピンク色をした蓮の花を見たことがありました。とても美しい風景でした。夏の花といえば、ヒマワリなどが有名ですが、蓮も夏の季節に咲く代表的な花です。

この蓮の花は、古来より仏教でとても大切にされてきました。それは、蓮の花が泥の中に咲くからです。泥というのは、汚いものの象徴です。しかし、その汚い泥が、あの美しい蓮の花を咲かせていくのです。命を輝かせていくのは、けっして綺麗なものばかりではありません。むしろ、悲しみや苦しみの中にこそ、命を輝かせていく大きな力が秘められているのではないでしょうか。

人が避けようとする汚いものの中にこそ、大切な意味が込められていることを、美しい蓮の花は教えてくれています。楽しいことばかりでなく、悲しいことや辛いことも経験する中に、人としての輝きも具わっていくのでしょう。

子ども達が経験する悲喜こもごもの一つ一つを、大切にしてあげられる大人でありたいですね。

2023/6/28

 

2023-06-28