雨に濡れた紫陽花の美しさが、心和ます季節になりました。田んぼで鳴くカエルの声も、梅雨の季節の到来を告げています。
先日、ある小学六年生の児童三人が、下校中に見つけた子猫の死骸をお寺に持ってきたことがありました。溝の中でうつ伏せになって死んでいたそうです。見ると、まだ体調15 cmぐらいの本当に可愛い子猫でした。大雨が降った次の日でしたから、急に増水した溝の中に、誤って落ちてしまったのかも分かりません。小学生三人のお願いは、お寺のどこかに、この子猫のお墓を作ってほしいということでした。三人とも、制服を着たまま汗びっしょりになって、人知れずお寺の裏で一生懸命に子猫の為の穴を掘り続けていました。三人とも嘉川保育園の卒園児でしたが、その姿は、人として、とても素敵で立派なものだったと思います。
最近は、「殺処分」という言葉を、時折、耳にすることが増えてきました。全国の自治体でも、犬や猫の「殺処分」が毎日のように行われているといいます。「処分」という言葉は、命をゴミのように扱うようで胸が痛みます。どんな命も決して殺してもよい命はありません。また、「処分」という言葉で扱われてもよい命もないはずです。死骸をみて、ぎゅっと胸が締め付けられる、これが、人として必ず持っていなくてはならない心ではないでしょうか。
人は、環境によって、心が凍てついていくこともあります。お互いに、いつまでも温かく柔らかい優しい心を持ち続けれる人間でありたいものですね。